どんなにがんばっても片づけられない自分に「もしかして病気?」と悩んでいませんか。
- 部屋の中が出しっぱなし・やりっぱなしのもので溢れている
- 何度片づけても一瞬で元通りになる
- どこに何があるのかわからない
もしあなたが常にそんな状態に陥っているとしたら、それは病気ではなくADHDという発達障害の特性のせいかもしれません。
この記事では、大人の「片づけられない」に関係することがある障害や特性を紹介し、簡単なセルフチェックリストもご用意しました。
あわせて、ADHDなどの特性がある場合に片づけがうまくいく対処法も解説します。
はじめにお伝えしておきたいこと:
この記事のセルフチェックは、あくまで“傾向に気づくための目安”です。
チェックの結果だけで障害や病気を判断することはできません。
気になる場合や生活に支障がある場合は、自分を責めず、医療機関(心療内科・精神科など)に相談してみてください。
先にお伝えすると、片づけられないからといって、障害があると決まるわけではありません。
同じ「片づけられない」でも、特性によるもの、心の不調によるもの、忙しさや物量によるものがあり、対処法も変わります。
この記事では、大人向けのセルフチェックで自分の傾向を確かめたうえで、相談先の選び方と暮らしの整え方までまとめました。
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この記事の要点
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 片づけられないのは障害が原因? | 障害とは限らない | 特性・心の不調・生活環境など理由はさまざまで、診断ができるのは医療機関だけです。 |
| 大人のセルフチェックはどこを見る? | 8つの困りごとの当てはまり方 | 探し物が多い、途中で気が散る、判断できないなど、日常で起きている困りごとを確認します。 |
| チェックが多かったらどうする? | 数ではなく困り度で考える | 当てはまる数だけで障害は決まりません。生活に支障が出ているかを基準に考えます。 |
| 背景に考えられる特性は? | ADHD・ASD・ためこみ症など | うつ状態が関係することもあり、複数の特性が重なっているケースもあります。 |
| なぜ大人になって困りやすい? | 管理することが一気に増えるから | 仕事や家事、育児が重なると、それまで工夫で補えていた部分が追いつかなくなります。 |
| 病院に行く目安は? | 二次障害が出ているかどうか | 気分の落ち込みや強い自己否定が続く場合は、心療内科や精神科で相談してみましょう。 |
| 医療機関以外の相談先は? | 公的な支援センターがある | 発達障害者支援センターなど、費用をかけずに相談できる公的な窓口があります。 |
| 片づけを続けるコツは? | 範囲を小さくして仕組みにする | タイマーやワンアクション収納など、特性に合う方法を選ぶと挫折しにくくなります。 |
この記事でわかること
- 大人の「片づけられない」を確かめるセルフチェック8項目
- チェックが多かったときの受け止め方と、自己判断できることの限界
- ADHD・ASD・ためこみ症・うつ状態など、背景に考えられる特性
- 医療機関を考える目安と、無料で使える公的な相談窓口
- 特性があっても片づけを続けやすくする収納や習慣の工夫
これって病気?どんなにがんばっても片づけられない

どんなにがんばっても片づけられない人は、もしかしたらADHD(注意欠如・多動性障害)の傾向があるかもしれません。
ADHDは病気ではなく「不注意」「多動性」「衝動性」の特徴を持つ発達障害です。
- 何をどこに片づけたかわからなくなる
- 片づけていたはずなのに気付けば別のことに集中している
- 何から手をつけていいかわからない
どんなに努力してもこのような状態を解消できないため、本人も周囲も「何かがおかしい」と感じて病気を疑うケースは多くあります。
しかし、ADHDだからといって「片づけられる自分」を諦める必要はまったくありません!
片づけは、正しいやり方を学べば誰でも習得可能です。
そのためには、ADHDの人が「なぜ片づけられないのか」を理解する必要があります。
>「片づけられない主婦」は卒業!誰でも簡単に【片づけ上手】になる3つのコツ
>片づけが終わらない…。なぜ終わらないの?どう進めればいい?
大人になってから困りごとが表面化しやすい理由
大人になってから「片づけられない」と気づく人は少なくありません。
東京都立病院機構の大人のADHDについての解説によると、大人になって気づかれるケースは、もともとの特性が環境の変化によって困りごととして表面化したものと考えられています。
子どものころは家族が声をかけてくれたり、管理するものが少なかったりして、なんとか回っていたという人も多いはずです。
ところが、一人暮らしや仕事、結婚、出産と進むにつれて、管理しなければならないものと段取りの量は一気に増えます。
家族分の持ち物、書類、食材、予定まで抱えるようになると、それまでの工夫では追いつかなくなります。
つまり、大人になって急にできなくなったのではなく、求められる量が増えたことで困りごととして表に出てきたというケースが多いのです。
また、不注意の特性は「うっかりしている」「だらしない」と受け取られやすく、性格の問題として見過ごされてきた人もいます。
自分を責め続けてきた人ほど、まずは背景を知るところから始めてみてください。
【大人向け】片づけられない障害セルフチェックリスト
まずは、当てはまる項目がいくつあるかチェックしてみましょう。
これは医学的な診断テストではなく、自分の傾向に気づくための簡単な目安です。
気軽な気持ちで確認してみてください。
- 何度片づけても、すぐに元の散らかった状態に戻ってしまう
- どこに何をしまったか忘れ、よく探し物をしている
- 片づけを始めても、途中で別のことに気を取られて終わらない
- 「いる・いらない」の判断ができず、物を捨てられない
- 何から手をつければいいのか、優先順位がわからない
- 出しっぱなし・やりっぱなしが多い
- 収納スペースの使い方がわからず、物が溢れてしまう
- 片づけられない自分を責めて、落ち込むことが多い
上記のうち多くの項目に当てはまる場合、後述するような特性や状態が背景にある可能性があります。
ただし、これはあくまで目安です。
当てはまる数が多くても障害だと決まるわけではなく、反対に少なくても困りごとが大きいなら相談する価値があります。
確定的な診断ができるのは医療機関だけ、という点を覚えておいてください。
チェックが多かったときの受け止め方
チェックの結果は「当てはまった数」ではなく、「どれくらい困っているか」で受け止めてください。
同じ3項目でも、暮らしが回っている人もいれば、毎日の生活に支障が出ている人もいます。
判断の手がかりになるのは、次のような視点です。
- 仕事や家事に遅れが出て、周囲との関係に影響が出ているか
- 探し物や買い直しで、時間やお金の負担が増えていないか
- 片づかないことで気分の落ち込みや自己否定が続いていないか
- 以前はできていたのに、ここ数か月で急にできなくなっていないか
とくに「以前はできていたのに急に難しくなった」という場合は、特性よりも心身の不調が関係していることがあります。
反対に、子どものころから同じ困りごとが続いているなら、生まれ持った特性が影響している可能性があります。
どちらにしても、チェックだけで結論は出せません。
気になったら「困っているかどうか」を基準に、相談先を探すところから始めましょう。
片づけられない背景に考えられる障害・特性
「片づけられない」の背景には、いくつかの特性や状態が関係していることがあります。
あくまで可能性の一つとして、代表的なものを紹介します。
大切なのは、「片づけられない=障害」と単純に結びつけないことです。
下記のいずれにも当てはまらず、単に忙しさや生活環境が原因のこともあります。
それぞれの特性を知ることは、自分を責めるためではなく、自分に合った対処法を見つけるための手がかりにしてください。
①ADHD(注意欠如・多動症)
ADHDは病気ではなく、「不注意」「多動性」「衝動性」の特徴を持つ発達障害です。
片づけられない大人の背景として、最もよく知られているのがこのADHDです。
計画を立てたり優先順位をつけたりするのが苦手で、片づけの途中で気が散ってしまう、物の定位置を決められない、といった特性から片づけに影響が出ることがあります。
②ASD(自閉スペクトラム症)
ASDは、強いこだわりやコミュニケーションの困難などの特徴がある発達障害です。
ADHDとは「片づけられない理由」が異なるのが特徴で、物の配置に独自の強いこだわりがあったり、「とりあえず片づけて」といった曖昧な指示が理解しづらく動けなかったりします。
物が極端に少ない場合と、逆に物で溢れる場合の両極端になりやすいともいわれます。
また、予定外のことが起きるとフリーズしてしまう、感覚過敏でホコリや特定の感触が苦手で掃除作業そのものを避けてしまう、といったことも。
ASDの方の場合は、片づけの手順やルールを具体的に決めておくと取り組みやすくなるといわれています。
③ためこみ症・強迫性障害
ものを捨てることに強い苦痛を感じ、必要のないものまで溜め込んでしまうのが「ためこみ症」です。
本人にとっては大切なものに思えるため、手放す判断が非常に難しくなります。
強迫性障害が関係していることもあります。
「いつか使うかもしれない」「捨てるのがもったいない」という気持ちが人一倍強く、結果として家の中が物で埋まってしまうケースもあります。
無理に捨てさせようとすると強い抵抗やストレスにつながるため、専門家のサポートを受けながら少しずつ進めることが大切とされています。
④うつ病・抑うつ状態
発達障害だけでなく、心の不調が背景にあることもあります。
うつ病や抑うつ状態では、強い気力・意欲の低下によって、片づけはおろか日常生活そのものが負担になります。
「以前はできていたのに急にできなくなった」という場合は、心の状態に目を向けてみることも大切です。
これらはいずれも、本人の意思の弱さや甘えが原因ではありません。
また、複数の特性をあわせ持っていることもあります。
次の章では、片づけられない原因として代表的なADHDの特性を、もう少し詳しく見ていきます。
障害以外に考えられる原因もある
片づけられない状態が続いていても、原因が特性や不調ではないケースはたくさんあります。
よくあるのは、次のような理由です。
- 仕事や育児で単純に時間がなく、片づける余力が残っていない
- 家にある物の量が、収納スペースに対して多すぎる
- 片づけ方を教わる機会がないまま大人になった
・家族の物が多く、自分だけでは判断できない
・産後や体調不良など、一時的に動けない時期が続いている
とくに物の量が収納量を超えている場合は、どんな方法を試してもきれいな状態は続きません。
この場合に必要なのは診断ではなく、物を減らすことと、戻す場所を決めることです。
「特性かもしれない」と考える前に、暮らしの条件が厳しくなっていないかも一度確認してみてください。
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ADHDが片づけられない3つの理由

ADHDに片づけられない人が多い理由として、以下の3点が考えられます。
- 集中力が続かない
- 優先順位がつけられず先延ばしにしてしまう
- 空間を把握する力が低い
それぞれの理由を詳しくみてみましょう。
>片づけのモチベーションを高める方法を紹介。気分が乗らなくてもできることは?
①集中力が続かない
ADHDの人は、集中力がなかなか続きません。
その理由は、ADHD特有の「脳内多動」によるものです。
常に頭の中が考えごとで埋めつくされているため、片づけの最中にもさまざまなことに気が散ります。
「片づけをしていたはずなのに気付けばほかのことに夢中になっていた」というのは、ADHDの「衝動性」によって即行動してしまうことが理由です。
ADHDに出しっぱなし・やりっぱなしが多いのも「脳内多動」「衝動性」が関係しています。
②優先順位がつけられず先延ばしにしてしまう
ADHDの人は、物事に優先順位をつけるのが苦手です。
やるべきことがいくつもあると、結局何もできないまま時間が過ぎてしまったり思いついたことから中途半端に手をつけたりして、片づけが進みません。
さらに「また今度考えよう」と決断を先延ばしにするため、いる・いらないの判断が苦手です。
そのため、いつまでも不要なモノを捨てられない傾向にあるといえるでしょう。
③空間を把握する力が低い
ADHDの人は、通常に比べて空間を把握する能力が低いといわれています。
空間を把握する力が低いと、以下のような事態に発展します。
- モノの配置を決められない
- 収納スペースをうまく活用できない
- 隙間に詰め込んだり積み上げたりしているうちにモノが溢れてしまう
上記を改善しなければ、一瞬は片づいても、すぐ空いたスペースにモノが溢れてしまうでしょう。
「片づけられない」が引き起こす5つの問題点

「片づけられない」が引き起こす問題は、ただ汚い家に我慢しながら住み続け、ストレスを溜めることだけではありません。ここでは、片づけられないことで発生する5つの問題を紹介します。
①自己嫌悪に陥る
どんなにがんばっても片づけられない経験を繰り返すうち「わたしに問題があるからだ」と、自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。
自分を責め続けることで自信を失うと、片づけ以外のことに対しても消極的になってしまいます。
自分を責める気持ちが強くなっているときは、こちらの記事も参考にしてください。
>自己肯定感が低いのはなぜ?特徴・原因と今日から高める方法を解説
②タイムロスする
ADHDの人は忘れっぽいため、どこに何を片づけたかわからなくなることが多く、探し物に時間がかかります。
今使いたいものが見つからずに新しいものを購入したり、目当てのものを探してあちこちをひっくり返したりして、状況が悪化してしまうでしょう。
③精神状態が不安定になる
部屋が散らかっているとストレスが溜まり、精神的に不安定な状態になりやすいです。
- 横になっても疲れがとれない
- 無性にイライラして家族にあたってしまう
- そわそわして落ち着かない
部屋が散らかっているとストレスが溜まり、精神的に不安定になりやすいです。
疲れがとれない、イライラする、落ち着かないといった状態が続く場合は、無理をせず早めに専門家へ相談することも考えましょう。
気持ちの余裕が戻らないと感じている人は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
>心に余裕がないのはなぜ?原因と余裕を取り戻す方法をプロが解説
④家族とうまくいかなくなる
散らかった部屋でお互いにストレスが溜まると、家族との関係もギスギスします。
また家族から片づけられないことを責められたり「自分と同じようになってほしくない」と、子どもを必要以上に怒ってしまったりすることもあります。
家族に強くあたってしまうことが増えている場合は、こちらの記事も参考になります。
>家族にイライラするのは病気?考えられる原因と心がラクになる対処法を解説
⑤自宅に人を呼べない
部屋が散らかっていると気軽に人を呼べず、急な来客にも対応できません。
ほかにも片づけられない自分を知られたくなくて友人を遠ざけたり、「友だちを連れてきたい」という子どもの願いに応えられなかったりと、自分や家族の人間関係に影響が出る可能性もあります。
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片づけられるようになる3つのメリット

一方で片づけができるようになると、さまざまなメリットがあります。ここでは、片づけで得られる3つのメリットを紹介します。
①自分に自信がもてる
ADHDの女性は、世間から求められる「女性らしさ」「社会人らしさ」と自分との間にギャップを感じ、生きづらさを抱えていることが多いです。
発達障害に気付かないままADHDの特性に振り回されて、自分のことを「ダメ人間」「失敗作」と思い込んでいる人も少なくありません。
ADHDの特性と向き合い「片づけ」という問題をひとつクリアすることで、自信を取り戻し新しいことに挑戦する勇気も湧いてきます。
②気持ちがすっきりする
部屋が片づくと、気持ちが明るくすっきりします。
ADHDの人は五感の情報を一気に取り込んでしまうため、モノで溢れた部屋に混乱しやすいです。
部屋がすっきりすることで、気持ちだけでなく頭の中もクリアになります。
③好循環がうまれやすくなる
頭の中に余白ができると心もリラックスでき、普段の生活でも次のような好循環がうまれやすくなります。
実際に、弊社「株式会社 Homeport」の代表兼「お片づけ習慣化コンサルタント」の西崎彩智が手掛ける「家庭力アッププロジェクト®︎」を受講して片づけ習慣を身につけた卒業生たちからは、以下のような声があがっています。
このように「家庭力アッププロジェクト®︎」を受講した多くの卒業生たちが、片づけを身につけたことで「人生が好転した」と実感しているのです。
「気になる!」という方は、まずは「家庭力アッププロジェクト®︎」の説明会を兼ねたオンラインセミナーに参加してみてください。説明会&セミナーに参加するだけでも、片づけに対する価値観が変わっていくのを実感できるはずです。
部屋が整うと、家族に向ける言葉や表情まで変わったという声も多く聞かれます。
>母親が笑顔でいられる家庭は「片づけ」で変わる|心に余裕が生まれる暮らしの整え方
医療機関に相談する目安は「二次障害があるか」
「病院に行ったほうがいいのか、迷っている」という方もいるでしょう。
判断の目安の一つとされるのが、二次障害があるかどうかです。
特性によって仕事や家庭生活に困難を抱え、その結果として抑うつ状態になったり、強く自尊心が下がってしまったりしている場合は、医療機関を受診して客観的に判断してもらうことが解決の糸口になることがあります。
一方で、診断名がつくほどではない「グレーゾーン」の方も多くいます。
その場合でも、当事者の交流会やカウンセリングを利用するなど、相談できる場はあります。
「困っているかどうか」を基準に、ひとりで抱え込まないことが大切です。
受診先に迷う場合は、心療内科や精神科、お住まいの自治体の相談窓口などが入口になります。
医療機関以外に相談できる公的な窓口
「いきなり病院はハードルが高い」という場合は、公的な相談窓口から始める方法もあります。
各都道府県や指定都市には発達障害者支援センターが設置されており、本人だけでなく家族からの相談にも応じています。
日常生活の困りごとを整理したうえで、必要に応じて医療機関や福祉サービスにつないでもらえるのが特徴です。
また、国が運営する発達障害ナビポータルでは、支援制度や相談先の情報がまとめられています。
気分の落ち込みが強い場合は、自治体の保健所や精神保健福祉センターも相談先になります。
費用をかけずに相談できる窓口があることを知っておくだけでも、抱え込みにくくなります。
ADHDでも片づけ上手になる4つの方法

ここからは、ADHDでも片づけられる4つの方法を紹介します。誰でも簡単に取り入れられる方法ばかりなので、さっそく今日から試してみてくださいね。
①タイマーを活用する
ADHDは気付いたら別のことをはじめているパターンが多いため、タイマーを活用して片づけに集中しやすい環境を作りましょう。
誰でも簡単にできる方法は、以下の通りです。
- 10~15分程度でタイマーをセットする
- 「タイマーが鳴るまで」を意識して片づけに取り組む
- 集中できていない場合はさらに短い時間にセットして2に戻る
タイマーをセットすることで「気付いたらもくもくと漫画を読んでいた」や「全然関係のない家事をはじめていた」といった、失敗を予防できます。
②完璧主義をやめて片づけのハードルを下げる
ADHDのなかには完璧主義から抜け出せずに苦しんでいる人も多いため、意識して片づけのハードルを下げることが大切です。
世の中に溢れる片づけの方法を、完璧に実践する必要はありません。ADHDの人は手順が多かったり複雑だったりすると最後までやりきれないので、とにかく簡単な仕組みを採用しましょう。
箱にぽいっと入れるだけ、決まった場所に置く(かける)だけなど、ワンアクションで完結する仕組みづくりがおすすめです。
③小さな片づけを習慣化する
普段から小さく片づける習慣が身につくと、片づけの負担が軽くなります。
「毎日片づけるなんて大変そう」と感じるかもしれませんが、ADHDの人は段取りを組むのが苦手で集中力も続きづらいです。
そのため、一気に片づけることのほうがADHDの挫折原因になりがちです。
今日は冷蔵庫の中、明日は洗面台の下の収納といった具合に、片づける範囲を小さく限定すると短時間で済むので、集中して取り組みやすくなります。
④第三者から片づけの仕方を学ぶ
ADHDの傾向がある人は第三者のサポートを受ける方法がおすすめです。ADHDは本やネットから知識を得ようと思っても、次のような理由で挫折しがちです。
- なんとなく理解できるけど、自分の状況にあてはめて応用できない
- 集中力が続かなくてどうでもよくなってしまう
- 本を買ったら満足してしまう
一方で「片づけのプロ」から正しい方法を学び、自分に合ったサポートを受けられれば、ADHDの人でも軌道修正しながら取り組めます。
また、どうしても自力では難しいときは、片づけ代行サービスや、発達障害に理解のある支援サービスを頼るのも立派な選択肢です。
助けを求めるのは甘えではありません。
これまでは片づけを学ぶ機会がなかったので、親のやり方や流行りの方法を頼りに自力でがんばるしかなかったかもしれません。
しかし、片づけには「正しいやり方」があり、方法さえ学べばいつからでも片づけの習慣を身につけられます。
また、他人の目があることでADHDを悩ませる先延ばし癖を回避でき、講師や仲間と励まし合うことでやる気にもつながるでしょう。
集中力がないと思われがちな特性も、見方を変えれば「好きなこと・関心があることには驚くほど集中できる」という強みでもあります。
片づけのネガティブなイメージを払拭し、自分に合ったやり方が見つかれば、苦手だった片づけとの関係が少しずつ好転していく可能性は十分にあります。
特性に合わせた収納の仕組みをつくる
やり方を変えるより、家の仕組みを変えるほうが続きやすいこともあります。
とくに探し物が多い人は、「しまう」より「見える」ことを優先すると負担が減ります。
- よく使う物は扉や引き出しの中に隠さず、置くだけ・掛けるだけにする
- 中身が見えない箱には、大きめの文字でラベルを貼る
- 「とりあえず入れる箱」を1つだけ決めて、そこ以外には置かない
- 帰宅後に必ず出す物(鍵・財布・書類)の定位置を玄関近くにまとめる
- 収納は7割程度で止めて、戻すときの隙間を残しておく
手順が少ないほど、特性のあるなしに関係なく続けやすくなります。
うまくいかなかった方法は、自分に合わなかっただけと考えて切り替えていきましょう。
家族が片づけられないときの接し方
家族やパートナーが片づけられない場合、責めることは解決につながりません。
「なんで片づけられないの」と言われ続けると、相手はさらに動けなくなってしまいます。
伝えるときは、人ではなく作業に焦点を当てるのがポイントです。
- 「片づけて」ではなく「この紙袋を玄関に出して」と具体的に頼む
- 一度に複数のことを頼まず、ひとつ終わってから次を伝える
- 共有スペースだけルールを決め、個人の場所には口を出さない
- できていない部分より、できた部分を先に言葉にする
本人が困っていない場合、無理に変えようとするとぶつかるだけになります。
まずは共有スペースから、家族が動きやすい形に整えていきましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. 片づけられないのは、必ず障害が原因なのですか?
A. いいえ。
片づけられない原因は、性格や生活環境、忙しさなどさまざまで、必ずしも障害が原因とは限りません。
セルフチェックはあくまで目安であり、気になる場合は医療機関で相談するのが確実です。
Q. セルフチェックで多く当てはまりました。病院に行くべきですか?
A. 当てはまる数だけで判断はできませんが、生活に支障が出ている、気分の落ち込みが続くといった場合は、心療内科や精神科に相談してみてください。
「困っているかどうか」を基準に考えるとよいでしょう。
Q. 何科を受診すればいいですか?
A. 大人の発達障害や心の不調については、心療内科や精神科が一般的な相談先です。
発達障害を専門に扱う医療機関や、自治体の相談窓口もあります。
まずは相談しやすいところから連絡してみましょう。
ADHDだから片づけられないは誤解!特性と上手に付き合うことが大切

「どんなにがんばっても片づけられない」。その原因は甘えでも努力不足でもなく、ADHDなどの特性や、心の状態が関係していることもあります。
大切なのは、自分を責めないことです。
セルフチェックで気づきがあった場合も、それは「自分を知る」ための第一歩。
困りごとが大きいときは、ひとりで抱え込まず、医療機関や専門家、片づけのプロなど、頼れる先に相談してみてください。
特性に合ったやり方を学べば、片づけが苦手だった人でも少しずつ片づけを習慣にしていけます。
今日できる小さな一歩から、無理のない範囲で始めてみましょう。
片づけられないことで長く自分を責めてきた方ほど、「これは特性や状態によるものかもしれない」と知るだけで、心が少し軽くなることがあります。
原因を正しく理解し、自分に合った工夫やサポートを取り入れていけば、暮らしは少しずつ整っていきます。
焦らず、自分のペースで向き合っていきましょう。
チェックの結果は、自分を分類するためのものではなく、次の一歩を選ぶための材料です。
困りごとが大きいなら医療機関や公的な窓口へ、暮らしの条件が厳しいなら物の量と定位置の見直しから始めてみてください。
特性そのものがなくなるわけではありませんが、仕組みと環境を変えれば、困りごとは確実に減らせます。
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※この記事は一般的な情報をまとめたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。症状や対応については、必ず医療機関などの専門家にご相談ください。
参考:国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センター・一覧」/発達障害ナビポータル/東京都立病院機構「大人のADHDとは?」
先着20名様限定


