「どんなに頑張っても部屋が片づけられない」「子どもに何度言っても片付かない」——そんなとき、「もしかして発達障害が関係しているのかな」と不安になる方もいるかもしれません。確かに、発達障害の特性が片づけにくさの背景にあることはあります。
けれど、片づけられない理由は人それぞれで、必ずしも発達障害が原因とは限りません。大切なのは、思い込みで決めつけず、なぜ片づけられないのかをていねいに見つめ、その人に合ったやり方を見つけること。
この記事では、発達障害と片づけの関係や、関係する特性、発達障害とは限らない見極めのポイント、大人・子どもそれぞれの対処法まで、お片づけ習慣化のプロの視点でやさしく解説します。
お片づけ習慣化率97%部屋が片づけられないのは発達障害が原因?

「片づけられない=発達障害」と考える方もいますが、必ずしもそうとは限りません。片づけられない理由は一人ひとり異なり、特性が関係していることもあれば、環境や、単に「片づけ方を習っていない」ことが原因のこともあります。
一方で、発達障害、とくにADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性が、片づけにくさにつながっているケースもあります。大切なのは、「発達障害かもしれない」と早合点することではなく、なぜ片づけられないのか、その理由や背景をよく見てみること。そのうえで、その人に合った方法を見つけていきましょう。
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発達障害で片づけが難しくなる主な特性
発達障害の特性が背景にある場合、どのような理由で片づけが難しくなるのでしょうか。代表的なADHDとASDの特性を見ていきましょう。なお、これらはあくまで一般的な傾向であり、自己診断のためのものではありません。
ADHD(注意欠如・多動症)の場合
ADHDの特性がある場合、注意がそれやすく、片づけの途中で別のことに気を取られて中断してしまうことがあります。また、作業の優先順位をつけたり、手順を組み立てたりすることが苦手で、「どこから片づければいいか分からない」と手が止まりがち。物をどこに置いたか忘れやすく、なくし物が増えることもあります。片づけの具体的なコツについては、ADHDの片づけに特化した記事もあわせてご覧ください。
ASD(自閉スペクトラム症)の場合
ASDの特性がある場合、「適当に片づけて」「少しだけ捨てて」といった、基準が曖昧な指示が苦手なことがあります。「どこまでやればいいか」が分からず、作業を進められなくなってしまうのです。また、毎日の行動がルーチン化していると、物を動かしても認識しにくく、散らかっていることに気づきにくい場合もあります。こだわりが強く、物を手放しにくいこともあります。
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「発達障害とは限らない」見極めのポイント

片づけられないからといって、すぐに発達障害と決めつけるのは禁物です。前述のとおり、原因は環境や習慣にあることも多いからです。
たとえば、「そもそも片づけ方を習ったことがない」「物が多すぎて収納に入りきらない」「忙しくて時間が取れない」といった理由は、特性とは関係なく起こります。子どもの場合は、指示が曖昧だったり、大人によって言うことが違ったりして混乱しているだけ、ということもあります。
まずは、どんなときに・どんなふうに片づけられないのかをよく観察してみましょう。そのうえで、日常生活に大きな支障が出ている、本人がとても困っている、といった場合は、自己判断せず、医療機関や発達障害者支援センターなどの専門機関に相談することをおすすめします。
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お片づけ習慣化率97%大人が片づけられないときの対処法
特性が関係している場合でも、そうでない場合でも、片づけをラクにする工夫は共通しています。次のような“仕組み”を取り入れてみましょう。
ポイントは、「シンプルに・小さく・迷わない」こと。片づける場所を1カ所に絞り、タイマーで時間を区切って取り組みます。すべての物に「定位置」を決め、ポイポイ戻せる“ざっくり収納”にすると、戻すハードルが下がります。「適当に」ではなく「この箱に入れる」と具体的に決めるのも、迷いを減らすコツ。そして、物を増やしすぎないことも大切です。一人で抱え込まず、家族や片づけのプロの手を借りるのも、立派な選択です。
子どもが片づけられないときのサポート方法
お子さんの片づけをサポートするときは、「叱る」のではなく「できる仕組みを一緒に作る」ことが大切です。
指示は「ちゃんと片づけて」と曖昧に言うのではなく、「この箱にブロックを入れようね」と、具体的に・ひとつずつ伝えましょう。一度にあれこれ言わず、ひとつ終わってから次へ。写真やイラストのラベルで戻す場所を分かりやすくし、できたらすぐ、具体的に褒めることがポイントです。叱責は自己肯定感を下げ、片づけを“嫌なこと”にしてしまうため避けましょう。「片づけ方をまだ知らないだけ」と捉え、その子に合うやさしい工夫を、一緒に探してあげてください。
発達障害でも、片づけは「やり方」で変えられる
いちばんお伝えしたいのは、発達障害があってもなくても、片づけられないのは「だらしないから」でも「能力が低いから」でもない、ということです。多くの人は、片づけの“正しいやり方”を習う機会がないまま大人になります。特性がある場合は、その特性に合った工夫を加えればいいだけ。つまり、片づけは「やり方」と「仕組み」で、誰でもラクにできるようになるのです。
大切なのは、自分や家族を責めず、無理に「普通のやり方」に合わせようとしないこと。特性や個性に合った仕組みを整え、苦手な部分は道具や周囲の力にカバーしてもらいましょう。完璧を目指す必要はありません。今日できた小さな一歩を認めながら、その人らしく、家族みんながごきげんに過ごせる住まいを育てていきましょう。
まとめ:決めつけず、その人に合ったやり方で片づけはラクになる
部屋が片づけられない背景には、ADHDやASDといった発達障害の特性が関係していることもありますが、必ずしも発達障害が原因とは限りません。環境や、片づけ方を知らないだけ、ということも多いのです。大切なのは、決めつけずに理由をよく観察し、「1カ所に絞る」「定位置を決める」「具体的に伝える」など、その人に合った仕組みを取り入れること。日常生活に支障が大きいときは、専門機関に相談しましょう。発達障害があってもなくても、片づけはやり方で変えられます。自分や家族を責めず、ごきげんに暮らせる住まいを育てていきましょう。
※本記事は一般的な情報をまとめたものであり、診断を行うものではありません。日常生活に支障が大きいと感じる場合や、診断・治療について知りたい場合は、医療機関や発達障害者支援センターなどの専門機関にご相談ください。
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