「朝になると子どもが『学校に行きたくない』と言う」「休みが続いていて、この先どうなるのか不安でたまらない」——子どもの不登校に直面し、どう接すればいいのかわからずに悩んでいる親御さんは少なくありません。
子どもが学校に行けなくなると、親は「なんとかしなければ」と焦ってしまいがちです。しかし、不登校の子どもにとって何より大切なのは、家庭が安心して休める場所であること、そして親が一人で抱え込まずに周りの力を借りることです。
この記事では、不登校について親が知っておきたいこと、やってはいけない対応、親ができること、段階に合わせた関わり方、そして親自身の心と暮らしを整える方法まで、順番にお伝えします。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 親がやってはいけない対応は? | 無理に登校させる、理由をしつこく問い詰める | 無理やり学校に行かせようとしたり、理由を問い詰めたり、「甘え」と決めつけたりすると、子どもはさらに追い詰められてしまうことがあります。 |
| 不登校の子どもに親ができることは? | まず休ませ、家を安心できる居場所にする | 心と体のエネルギーを回復できるよう休ませ、話を聞いて気持ちを受け止めます。学校と連絡を取りながら、学校以外の学びの場や相談先も知っておきましょう。 |
| 親がつらいときはどうする? | 一人で抱えず、相談先や家族を頼る | 学校や専門の相談窓口、家族に気持ちを話し、自分の時間をもつことが大切です。家事の負担を減らし、親自身の心に余裕をつくりましょう。 |
この記事でわかること
- 不登校の定義と、データで見る現状
- 子どもが不登校になったときに親がやってはいけない対応
- 不登校の子どもに親ができることと、相談できる場所
- 不登校の段階に合わせた関わり方
- 親自身の心と暮らしを整えるためのポイント
不登校とは?まず親が知っておきたいこと
子どもが学校に行けなくなったとき、まず親が知っておきたいのは、不登校は決して特別なことではなく、どの家庭にも起こりうることだという事実です。基本的な考え方から確認していきましょう。
不登校の定義
文部科学省の調査では、不登校は「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由によるものを除いたもの」とされています。
つまり不登校とは、子どもが「行かない」と決めているだけでなく、「行きたくても行けない」状態も含んでいます。子ども自身にも、うまく言葉にできない理由やしんどさがあることを、まずは受け止めておきましょう。
不登校は珍しいことではない
文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」によると、令和6年度の小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人で、12年連続で増加し過去最多となっています。
同じ通知では、新たに不登校になった児童生徒の数は減少していることも示されています。いずれにしても、全国でたくさんの子どもと家庭が同じように悩みながら過ごしているということです。「うちだけ」と孤立せず、周りの力を借りてよいのだと考えてみてください。
不登校のきっかけはひとつとは限らない
不登校のきっかけは、友だち関係や勉強のこと、先生との関係、生活リズムの乱れ、体調、不安な気持ちなど、子どもによってさまざまです。いくつもの要因が重なっていることも多く、子ども自身も理由がはっきりわからないことがあります。
頭痛や腹痛など体の不調を訴える場合は、我慢させずに医療機関に相談しましょう。原因探しに時間をかけるよりも、「今、子どもが何に困っているか」に目を向けることが大切です。きっかけが一つではないからこそ、「これさえ直せば行けるはず」と決めつけず、子どもの様子を丁寧に見守りましょう。
子どもが不登校になったときの親の気持ち
子どもの不登校に向き合うとき、親自身もさまざまな感情を抱えます。子どもを支えるためにも、まずは親が自分の気持ちを否定しないことが大切です。
「自分の育て方のせい」と責めなくていい
子どもが学校に行けなくなると、「育て方が悪かったのでは」「もっと早く気づいてあげればよかった」と自分を責めてしまう親御さんは少なくありません。しかし、不登校の背景にはさまざまな要因があり、誰か一人のせいで起こるものではありません。
親が自分を責め続けていると、その気持ちは子どもにも伝わり、「自分のせいで親を苦しめている」と感じさせてしまうこともあります。過去を振り返るより、「これからどう支えていくか」に気持ちを向けていきましょう。
不安や焦りを感じるのは自然なこと
勉強の遅れや進路のこと、周りの目など、親が不安や焦りを感じるのはごく自然なことです。その気持ちを無理に押し込めず、「不安なんだな」と認めてあげることも大切です。
ただし、不安な気持ちをそのまま子どもにぶつけてしまうと、子どもはさらに追い詰められてしまいます。気持ちが不安定なときは、家族や友人、相談窓口などに話を聞いてもらいましょう。子育てのストレスとの向き合い方は、「子育てのストレスがつらいあなたへ|原因と今日からできる解消法を解説」でも紹介しています。
不登校の子どもに親がやってはいけない対応
親は子どものためを思って行動していても、その関わり方がかえって子どもを追い詰めてしまうことがあります。ここでは、不登校の子どもに対して避けたい代表的な対応を紹介します。
無理やり学校に行かせようとする
「とにかく学校には行きなさい」と、叱ったり、なだめすかしたりして無理に登校させようとするのは避けましょう。心も体もエネルギーが落ちている状態で無理をさせると、さらに不安が強くなり、親子の信頼関係も揺らいでしまうことがあります。
特に不登校が始まったばかりの時期は、まずは休ませることを優先しましょう。登校をゴールにするのではなく、子どもが元気を取り戻すことを一番に考えることが大切です。
理由をしつこく問い詰める
「どうして行けないの?」「何があったの?」と理由を繰り返し聞きたくなる気持ちはよくわかります。しかし、子ども自身も理由をうまく説明できないことが多く、問い詰められるとさらに口を閉ざしてしまいます。
理由は、子どもが話したくなったときに自然と出てくることもあります。無理に聞き出そうとせず、「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えて待ちましょう。
「甘え」と決めつけたり、ほかの子と比べたりする
「甘えているだけ」「みんな頑張って行っているのに」といった言葉は、子どもの心を深く傷つけます。子どもはすでに「行けない自分」を責めていることが多く、否定的な言葉はその気持ちをさらに強めてしまいます。
きょうだいや友だちと比べることも、子どもの自信を奪ってしまいます。子どもへの声かけで気をつけたいポイントは、「親が言ってはいけない言葉とは?片づけ習慣を遠ざけるNG声かけと正しい伝え方」も参考にしてください。
腫れ物に触るように接する
反対に、「刺激してはいけない」と気を遣いすぎて、必要以上に距離を置いてしまうのも注意が必要です。家族がよそよそしくなると、子どもは「自分のせいで家の雰囲気が悪くなった」と感じてしまうことがあります。
学校の話題は無理に出さず、食事やテレビ、好きなことの話など、これまでと同じような日常の会話を大切にしましょう。いつも通りの関わりが、子どもにとっての安心感につながります。
夫婦で意見がぶつかり、子どもの前で言い争う
不登校への考え方は、夫婦でも違うことがあります。「すぐに行かせるべき」「しばらく休ませたい」と意見がぶつかるのは自然なことですが、子どもの前で言い争うと、子どもは自分が原因だと感じて、さらに自分を責めてしまいます。
話し合いは子どもがいない場所で、落ち着いて行いましょう。夫婦の言い争いが子どもに与える影響については、「夫婦喧嘩は子どもにどんな影響がある?フォローの仕方と気をつけたいことを解説」で紹介しています。
親だけで抱え込む
「家庭のことだから」「人に知られたくない」と、親だけで問題を解決しようとするのも避けたいことのひとつです。一人で抱え込むと、親の心にも余裕がなくなり、子どもへの関わり方にも影響が出てしまいます。
学校の先生やスクールカウンセラー、地域の相談窓口など、相談できる場所はたくさんあります。周りの力を借りることは、子どもを支えるための大切な行動です。同じ悩みをもつ親の会などに参加して、気持ちを分かち合うのもよいでしょう。
不登校の子どもに親ができること
不登校の子どもに対して、親ができることはたくさんあります。大切なのは、学校に戻すことだけを目標にせず、子どもが安心して元気を取り戻せるよう支えることです。
まずは休ませて、心と体のエネルギーを回復させる
不登校の子どもは、心も体も疲れ切っていることが少なくありません。まずは「休んでいいよ」と伝え、安心して休める時間をつくってあげましょう。
ゲームや動画ばかり見ているように見えても、それが心を休める手段になっていることもあります。頭ごなしに禁止するのではなく、家族でルールを話し合いながら、子どもが自分のペースで過ごせるようにしましょう。
家を安心できる居場所にする
学校に行けない子どもにとって、家は一日の大半を過ごす大切な場所です。家族に責められることなく、自分らしく過ごせる「居場所」があることが、子どもの安心感につながります。
子ども部屋やリビングの一角など、子どもが落ち着いて過ごせるスペースがあるかどうかも見直してみましょう。子どもが一人で落ち着ける空間を考えるときは、「子ども部屋は何歳から?与えるタイミングの目安と判断のポイント」も参考になります。
話を聞き、子どもの気持ちを受け止める
子どもが何かを話してくれたときは、アドバイスや否定をせず、まずは最後まで聞いて気持ちを受け止めることを意識しましょう。「そうだったんだね」「つらかったね」と共感の言葉を返すだけでも、子どもは「わかってもらえた」と感じられます。
話をしたがらないときは、無理に聞き出す必要はありません。一緒にごはんを食べる、散歩をするなど、同じ時間を過ごすことも大切なコミュニケーションです。車での移動中や寝る前など、顔を合わせずに話せる時間のほうが、子どもが本音をぽつりと話してくれることもあります。
生活リズムをゆるやかに整える
学校に行かない日が続くと、夜更かしや朝寝坊で生活リズムが乱れがちです。完璧を求める必要はありませんが、起きる時間や食事の時間など、ゆるやかなリズムを家族で意識するようにしましょう。
朝はカーテンを開けて日光を入れる、家族と一緒にごはんを食べるなど、小さな習慣から始めてみてください。生活リズムが整ってくると、心と体の調子も少しずつ安定しやすくなります。
学校と連絡を取り合う
子どもが学校に行けなくても、親は担任の先生やスクールカウンセラーと連絡を取り合っておくことが大切です。子どもの様子を共有しておくことで、学校側もその子に合った支援を考えやすくなります。
ただし、学校からの連絡やプリントをそのまま子どもに伝えると、プレッシャーに感じることもあります。子どもの様子を見ながら、伝える内容やタイミングを考えましょう。毎朝の欠席連絡が負担になる場合は、連絡方法を学校に相談してみるのもひとつの方法です。
学校以外の学びの場や相談先を知っておく
学校以外にも、子どもが学んだり過ごしたりできる場所はあります。自治体の教育支援センター(適応指導教室)、フリースクール、オンラインで学べる教材など、子どもに合った学びの形を探してみましょう。
また、子どもが強い不安を訴えたり、「消えたい」などの言葉を口にしたりする場合は、すぐに専門機関に相談してください。文部科学省が設けている24時間対応の電話相談窓口(0120-0-78310)では、子ども本人だけでなく保護者も相談することができます。
| 家庭を、家族みんなが安心できる場所にしたい方へ 子どもが家で過ごす時間が長くなると、家の中の環境や家族の関わり方が、これまで以上に大切になります。 家の中を整え、家族みんなが心地よく過ごせる暮らしをつくることは、親自身の心の余裕にもつながります。 サチアップ片づけ習慣化講座(旧:家庭力アッププロジェクト®)では、1万件を超える片づけ相談をもとに生まれたお片づけ習慣化メソッドを、家族をワンチームにして45日間で実践していきます。 講座の内容が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。 ▶ 講座についてのお問い合わせはこちら |
不登校の段階に合わせた関わり方
不登校の子どもの状態は、時間とともに少しずつ変化していきます。今、子どもがどの段階にいるかを意識すると、関わり方のヒントが見えてきます。ただし、段階の進み方には個人差があり、行きつ戻りつすることもあります。
始まったばかりの時期:まずは休ませる
不登校が始まったばかりの時期は、子どもの心がとても不安定になりやすい時期です。朝になると体調不良を訴えたり、イライラしたり、部屋にこもったりすることもあります。
この時期は、登校を促すよりも、まずはしっかり休ませることを優先しましょう。親も戸惑いが大きい時期ですが、学校や相談窓口に早めに相談しておくと、気持ちが少し楽になります。
家で落ち着いて過ごせるようになった時期:好きなことを大切にする
しばらく休むと、表情が明るくなり、家で好きなことをして過ごせるようになることがあります。この時期は、子どもの「好き」や「やってみたい」を大切にし、エネルギーを蓄える時間にしましょう。
料理やお菓子づくり、家族で出かけることなど、小さな「できた」を積み重ねることが自信の回復につながります。家の中で役割をもってもらうのもおすすめです。洗濯物をたたむ、植物に水をやるなど、家族の役に立てたという実感は、子どもにとって「自分にもできることがある」という自信になります。お手伝いをしてくれたときは、「ありがとう、助かったよ」と言葉で伝えましょう。
外に目が向き始めた時期:少しずつ選択肢を広げる
エネルギーが回復してくると、「勉強が気になる」「外に出てみたい」と、少しずつ外の世界に目が向き始めることがあります。この時期は、学校への登校だけにこだわらず、子どもに合った選択肢を一緒に考えていきましょう。
保健室や別室への登校、教育支援センター、フリースクールなど、子どもが「ここなら行けそう」と思える場所から一歩を踏み出せるよう、焦らず見守ることが大切です。
親自身の心と暮らしを整えることも大切
不登校の子どもを支える親は、心身ともに大きな負担を抱えています。子どもを支え続けるためにも、親自身の心と暮らしを整えることはとても大切です。
自分だけの時間をもつ
子どもが家にいる時間が長くなると、親も外出を控えたり、自分のことを後回しにしたりしがちです。しかし、親がずっと緊張した状態でいると、心が疲れ切ってしまいます。
短い時間でも、好きなことをしたり、一人でカフェに行ったりと、自分のための時間をもちましょう。親が穏やかに過ごしている姿は、子どもにとっても安心につながります。一人の時間のつくり方は、「【子育てに疲れたママへ】一人になりたい理由と対処法・一人時間のつくり方」で紹介しています。
夫婦で話し合い、支える役割を分け合う
不登校の対応を、どちらか一方の親だけが担っていると、その人に大きな負担がかかります。子どもの様子や気持ちを夫婦で共有し、「今はこう見守ろう」と方針をそろえておくことが大切です。
日々の忙しさの中で、夫婦でゆっくり話す時間がとれていない場合は、まずは短い時間でも会話を増やすことから始めてみましょう。夫婦の会話を取り戻すヒントは、「夫婦に会話がない…一緒にいる意味とは?原因と関係を取り戻すヒントを解説」も参考にしてください。
仕事との両立に悩んだら
共働きの家庭では、子どもを一人で家に残すことへの不安や、仕事との両立に悩むこともあるでしょう。職場に相談して働き方を調整したり、家族や周りの人の力を借りたりと、一人で抱え込まない方法を探しましょう。
小学生の子育てと仕事の両立のヒントは、「小学生の子育て×フルタイムがきつい|つらさの理由と、無理なく続けるヒント」でも紹介しています。
家事の負担を減らして心に余裕をつくる
子どもへの対応に心を砕く毎日の中で、家事まで完璧にこなそうとすると、親の心身はすぐに限界を迎えてしまいます。家事の完成度を下げる、時短家電や外部サービスを取り入れるなど、負担を減らす工夫をしましょう。
家事にかかる時間が減ると、そのぶん子どもと向き合ったり、自分を休めたりする時間が生まれます。家事を効率化する具体的なアイデアは、「家事を効率化する方法13選|共働き・ワンオペでも時間にゆとりが生まれるコツ」で紹介しています。
家の中を整えて、家族が落ち着ける空間に
家で過ごす時間が長くなると、家の中の環境が家族の気持ちに与える影響も大きくなります。モノが散らかった空間では、探し物が増えたり、ちょっとしたことでイライラしたりしやすくなるものです。
リビングやダイニングなど、家族が集まる場所だけでも少しずつ整えていくと、親も子どもも落ち着いて過ごせる時間が増えていきます。体調や気持ちに余裕があるときに、子どもと一緒に小さな場所を片づけてみるのも、「できた」という感覚を取り戻すきっかけになることがあります。
| 家族みんなで暮らしを整える仕組みをつくりませんか 「家のことまで手が回らない」「家族それぞれが自分のことで精一杯」と感じていませんか?ママだけが頑張るのではなく、家族みんなで暮らしを整えていける仕組みをつくることが、心の余裕につながります。 サチアップ片づけ習慣化講座では、プロのトレーナーが伴走しながら、家族をワンチームにして片づけを習慣化していく45日間のカリキュラムをご用意しています。 その家庭力アッププロジェクトの大事なエッセンスを3時間、オンラインで学べる機会もありますので、詳しくはお問い合わせください。 ▶ お問い合わせフォームはこちら |
まとめ
不登校は、全国で多くの子どもと家庭が向き合っていることであり、決して親の育て方だけが原因で起こるものではありません。子どもが不登校になったときは、無理に登校させたり理由を問い詰めたりせず、まずは休ませて、家を安心できる居場所にすることが大切です。
話を聞いて気持ちを受け止め、生活リズムをゆるやかに整えながら、学校や相談機関と連絡を取り合いましょう。不登校の段階に合わせて、子どもの「好き」や「やってみたい」を大切にし、学校以外の選択肢も含めて焦らず見守ることがポイントです。
そして、子どもを支え続けるためには、親自身が一人で抱え込まず、自分の時間をもち、家族や周りの力を借りることが欠かせません。親が心に余裕をもてる暮らしを整えながら、子どものペースに寄り添っていきましょう。
| 家族みんなが心地よく過ごせる暮らしを 「家の中を整えて、家族が落ち着いて過ごせる環境をつくりたい」「家事や片づけを家族みんなで分け合いたい」とお考えの方は、お片づけ習慣化メソッドを学べるサチアップ片づけ習慣化講座をご検討ください。 家族をワンチームとして実践する45日間のカリキュラムで、ママだけが頑張らない暮らしづくりを目指します。 講座の内容や進め方など、ご不明な点はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。 ▶ 講座の詳細・ご相談はこちら |


