「カビにはアルコールが効く」とよく聞きますが、本当でしょうか。実は、アルコール(消毒用エタノール)は、表面の軽いカビの殺菌には効果的です。塩素系のカビ取り剤が使いにくい壁や家具にも使えて、予防にも役立つ便利なアイテム。ただし、万能ではなく、黒カビの色を落とせないといった限界もあります。
正しく知って使うことが大切です。この記事では、暮らしを整えるプロの視点から、カビにアルコールが効く理由とその限界、アルコールの選び方、正しい使い方、塩素系との使い分け、安全に使う注意点、そしてカビ予防の習慣まで、わかりやすく解説します。
お片づけ習慣化率97%カビにアルコールは効く?まず知っておきたいこと

使い方の前に、「アルコールはカビにどこまで効くのか」を正しく知っておきましょう。期待しすぎず、得意なことに使うのがコツです。
表面の軽いカビの「殺菌」には有効
アルコール(エタノール)は、カビの細胞に作用して、殺菌する効果があります。壁や家具の表面に、うっすら発生した軽いカビなら、アルコールで拭き取ることで除菌できます。手軽で、塩素系のようなツンとしたにおいも少なく、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも使いやすいのがメリットです。塩素系が使えない素材にも対応できる点も、うれしいところです。
でも黒カビの「色素」は落とせない
注意したいのは、アルコールは「殺菌」はできても「漂白」はできないこと。つまり、黒カビを殺菌できても、黒い色そのものは残ってしまいます。「アルコールで拭いたのに黒い跡が消えない」のは、このためです。色まで落としたいなら、漂白効果のある塩素系のカビ取り剤など、別の方法が必要になります。アルコールはあくまで「菌をやっつける」もの、と覚えておきましょう。
根が深い・広範囲のカビには不十分
素材の奥まで根を張ったカビや、広範囲に広がったカビには、アルコールだけでは不十分です。表面を殺菌できても、奥に残った菌や、湿気・栄養があれば、数日〜数週間で再発することも。あくまで「軽いカビの応急処置・予防」と考え、ひどいカビは塩素系や専門業者にまかせるのが賢明です。
関連記事:家事を効率化する方法13選|共働き・ワンオペでも時間にゆとりが生まれるコツ
カビ取りに使うアルコールの選び方

ひとくちにアルコールといっても種類があります。カビに効くものを選びましょう。
濃度は70〜80%が理想
カビの殺菌には、アルコール濃度70〜80%がもっとも効果的とされています。濃ければよいわけではなく、この濃度がいちばん殺菌力を発揮します。「消毒用エタノール」や、市販のアルコール除菌スプレーが手軽でおすすめです。
無水エタノールは薄めて使う
無水エタノール(濃度99%以上)は、揮発がとても早く、殺菌する前に蒸発してしまうため、そのままでは効果が落ちます。使う場合は、水で薄めて70〜80%にしてから。水と8:2ほどで割ると、ちょうどよい濃度になります。
消毒用エタノール・除菌スプレーが手軽
わざわざ薄める手間がいらない、市販の「消毒用エタノール」やアルコール除菌スプレーが便利です。スプレーボトルに入れておけば、気づいたときにサッと使えます。食品にも使えるタイプなら、キッチンまわりも安心です。
関連記事:【旦那の家事がありがた迷惑…】主婦の不満が大爆発。旦那の家事を改善するコツも紹介
アルコールでカビを取る正しい使い方

手順はとてもシンプル。ただし、最初の一手をまちがえると、かえってカビを広げてしまいます。
①換気して、手袋・マスクを準備する
アルコールは揮発性が高く、吸い込むと気分が悪くなることがあります。まずは窓を開けて換気を。手荒れや胞子の吸い込みを防ぐため、ゴム手袋とマスクもつけましょう。
②いきなりスプレーせず、まず拭き取る
カビにいきなりアルコールをスプレーするのはNGです。スプレーの勢いで、カビの胞子が舞い上がり、ほかの場所に飛び散ってしまいます。胞子を吸い込んでしまうこともあるので、まずは、ティッシュや雑巾でカビをそっと拭き取りましょう。拭き取ったティッシュは、胞子が飛ばないよう、すぐにポリ袋に入れて処分すると安心です。
③アルコールを含ませて拭く・数分おく
次に、アルコールを含ませた布で、カビの部分を拭き取ります。スプレーする場合は、布に吹きかけてから使うか、拭き取ったあとに吹きかけて、数分おいて殺菌させましょう。十分に湿らせるのが、しっかり殺菌するポイントです。カビが生えていた周辺も拭いておくと、目に見えない菌も除菌でき、再発予防になります。
④しっかり乾燥させる
仕上げに、しっかり乾燥させます。アルコールは揮発しますが、湿気が残るとカビが再発する原因に。窓を開けたり、風を当てたりして、乾いた状態にしておきましょう。
関連記事:仕事と家事の両立は無理?ストレスを溜めない疲労・負担軽減のコツ
アルコールが使える場所・使いにくい場所
アルコールの大きなメリットは、塩素系のカビ取り剤が使いにくい場所にも使えること。壁紙や家具、木材、フローリング、畳など、漂白剤だと変色が心配な場所でも、比較的安心して使えます。食品を扱うキッチンまわりや、冷蔵庫の中などにも向いています。一方で、ニスや塗装が施された家具、一部のプラスチックやゴム、革製品などは、アルコールで変色したり、塗装が溶けたりすることがあります。使う前に、目立たない場所で少し試して、変色しないか確認してから使いましょう。
お片づけ習慣化率97%アルコールと塩素系|カビ取りの使い分け
カビ取りでよく使われる「アルコール」と「塩素系漂白剤」。それぞれ得意なことが違うので、使い分けが大切です。アルコールは、殺菌と予防が得意で、色を抜きたくない場所に向いています。一方、塩素系漂白剤は、黒カビの色素まで漂白できる強い味方ですが、素材を傷めたり変色させたりすることがあり、使える場所が限られます。「軽いカビ・色を残したくない場所はアルコール」「黒い跡まで消したいお風呂のゴムパッキンなどは塩素系(素材を確認して)」と覚えておくとよいでしょう。なお、アルコールと塩素系を混ぜて使うのは避けてください。
アルコールでカビを取るときの注意点
安全に使うために、次の点に気をつけましょう。
引火性に注意・火気厳禁
アルコールは引火しやすいので、火のそばでは絶対に使わないでください。コンロやストーブ、たばこの火などが近くにないことを確認してから使いましょう。スプレーした直後は、特に火気に注意が必要です。
必ず換気する
揮発したアルコールを吸い込むと、気分が悪くなることがあります。窓を開ける、換気扇を回すなど、しっかり換気をしながら使いましょう。狭い場所で大量に使うのは避けてください。
目立たない場所で試す・塩素系と混ぜない
素材によっては変色することがあるので、目立たない場所で試してから使うと安心です。また、塩素系漂白剤と混ぜたり、続けて使ったりするのは避け、使うときは十分に間をあけ、換気をしましょう。
アルコールを活かしたカビ予防の習慣
アルコールは、カビを「予防」するのにとても役立ちます。暮らしを整えるプロとして、予防の習慣をご紹介します。
普段の拭き掃除にアルコールを取り入れる
カビが生えやすい場所は、普段の掃除でアルコール拭きを取り入れると、発生をぐっと抑えられます。窓のサッシや水まわり、家具の裏、押し入れやクローゼットの中など、湿気がこもりやすく気になる場所を、こまめに拭いておきましょう。カビが目に見えてから対処するより、生える前に予防するほうが、ずっとラクできれいが続きます。
換気・除湿で湿気をためない
カビは湿気が大好きです。こまめに換気し、湿度の高い時期は除湿機やエアコンの除湿を心がけましょう。室内の湿度は60%以下が目安です。アルコールで殺菌しても、湿気が残っていればまた生えてくるので、「乾いた環境を保つ」ことがいちばんの予防になります。
物を減らして風通しよく
物が多いと、その裏やすき間に湿気がこもり、カビの温床に。物を減らして風通しをよくすると、カビが生えにくく、掃除もしやすくなります。すっきりした空間は、カビ予防にも効果的です。
カビとアルコールに関するよくある質問
Q. カビにアルコールは効きますか?
表面の軽いカビの殺菌には有効です。ただし、黒カビの色素は落とせず、根が深いカビには不十分。あくまで軽いカビの除菌や、予防に向いていると考えましょう。
Q. 無水エタノールでもいい?
そのままでは揮発が早すぎて効果が落ちます。水で薄めて、濃度70〜80%にしてから使いましょう。手軽さなら、はじめからこの濃度の「消毒用エタノール」がおすすめです。
Q. 黒カビはアルコールで落ちる?
殺菌はできますが、黒い色素は落とせません。黒い跡まで消したい場合は、塩素系のカビ取り剤が必要です。ただし、素材を傷めることがあるので、場所に合わせて使い分けましょう。
Q. アルコールとカビ取り剤、どっちを使えばいい?
色を残したくない場所や軽いカビ、予防にはアルコール。黒い跡まで消したい頑固な黒カビには塩素系、と使い分けましょう。広範囲や根の深いカビは、無理せず専門業者への相談がおすすめです。
まとめ|アルコールは「軽いカビの殺菌と予防」に活用しよう
カビにアルコールは効きますが、得意なのは「表面の軽いカビの殺菌」と「予防」です。黒カビの色素は落とせず、根が深いカビには不十分なので、過信は禁物。使うときは、濃度70〜80%のものを選び、いきなりスプレーせず拭き取ってから、換気をしながら使いましょう。色まで消したい頑固な黒カビには塩素系を、広範囲ならプロを、と上手に使い分けるのがコツです。そして、普段の拭き掃除や換気・除湿でカビを予防すれば、アルコールがもっと活きてきます。できること・できないことを正しく知って、カビのない清潔な暮らしを保ちましょう。
先着20名様限定


