「やることが多すぎて、何から手をつければいいかわからない」「あれもこれも大事に思えて、結局どれも中途半端になってしまう」——仕事や家事、育児に追われる毎日の中で、優先順位がつけられずに悩んでいる方は少なくありません。
優先順位がつけられないのは、能力や性格の問題ではなく、やることの全体像が見えていなかったり、判断の基準が決まっていなかったりすることが原因であることがほとんどです。原因を知り、つけ方のコツを押さえれば、誰でも少しずつ優先順位をつけられるようになります。
この記事では、優先順位がつけられない原因、優先順位のつけ方の基本、仕事と家事それぞれのコツ、決めた優先順位どおりに進めるコツ、そして片づけを通して「決める力」を育てる方法まで、順番にお伝えします。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 優先順位がつけられない原因は? | 全体像が見えず、判断の基準がないこと | やることを頭の中だけで管理していると、全体像がつかめず、どれが大切か判断できません。完璧主義や疲れ、散らかった環境が判断を鈍らせることもあります。 |
| 優先順位のつけ方は? | すべて書き出し、緊急度と重要度で分ける | やることを紙やアプリに書き出し、「緊急かどうか」「重要かどうか」の2つの軸で分けます。期限と所要時間を確認し、やらないことも決めましょう。 |
| 家事の優先順位はどう決める? | 頻度で分け、やらない家事と任せる家事を決める | 家事を「毎日」「週1回」「ときどき」に分け、毎日やらなくてもいい家事や、家族に任せられる家事を決めると、本当に大切なことに時間を使えます。 |
この記事でわかること
- 優先順位がつけられない主な原因
- 緊急度と重要度で考える優先順位のつけ方の基本
- 仕事と家事、それぞれで優先順位をつけるコツ
- 決めた優先順位どおりに物事を進めるためのコツ
- 片づけを通して「選ぶ・決める力」を育てる方法
優先順位がつけられないのはなぜ?主な原因
まずは、優先順位がつけられない原因を知っておきましょう。原因がわかれば、自分に合った対処法も見えてきます。当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。
やることの全体像が見えていない
優先順位がつけられない一番の原因は、やるべきことを頭の中だけで管理していて、全体像が見えていないことです。頭の中で「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と考えているだけでは、どれが一番大切なのかを比べることができません。
全体像が見えないまま、目についたことから手をつけていると、本当に大切なことが後回しになり、気づいたときには期限が迫っている、ということにもなりかねません。
判断の基準が決まっていない
何を基準に優先順位を決めるのかがはっきりしていないと、そのときの気分や、目の前の声の大きさに振り回されてしまいます。「頼まれた順」「簡単な順」で進めてしまい、大切なことが後回しになるのもよくあるパターンです。
期限や重要度など、自分なりの判断基準を持つことが、優先順位をつける第一歩になります。
すべてが大事に見えてしまう
責任感が強く、完璧主義の人ほど、「どれも手を抜けない」「全部ちゃんとやらなきゃ」と、すべてのことを同じように大事に感じてしまいがちです。
すべてを100点でこなそうとすると、時間も体力も足りなくなります。「これは80点でいい」「これはやらなくてもいい」と考えることも、優先順位をつけるうえでは大切です。
「間違えたらどうしよう」と不安になる
「この順番で本当に正しいのかな」「間違えたら取り返しがつかないかも」と不安になり、決めること自体に時間がかかってしまう人もいます。迷っている間にも時間は過ぎていき、結果的に何も進まないまま一日が終わってしまうこともあるでしょう。
優先順位に「絶対の正解」はありません。まずは決めて動き出し、違うと感じたら途中で修正すればいい、と考えると気持ちがラクになります。
頼まれると断れない
人から頼まれたことを断れずに引き受けてしまうと、自分のやるべきことの上に、次々とほかの用事が積み重なっていきます。その結果、何から手をつければいいかわからなくなってしまうのです。
引き受ける前に、「今の自分に、この時間があるか」を一度考える習慣をつけましょう。すぐに引き受けられないときは、「今日中は難しいですが、明日の午後なら対応できます」のように、できる範囲を伝えるのも一つの方法です。
疲れや余裕のなさで判断力が落ちている
睡眠不足や疲れがたまっていると、頭が回らず、物事を冷静に判断するのが難しくなります。守山市「新しい日常における過ごし方〜睡眠とこころの健康〜」でも、睡眠の効果として「集中力・判断力が高まる」ことが挙げられ、睡眠不足になると脳と身体の疲労回復が不十分になると紹介されています。
優先順位がつけられないと感じるときは、やり方を見直す前に、まずはしっかり休めているかを振り返ってみることも大切です。
散らかった環境で気が散っている
机の上や部屋の中にモノがあふれていると、目に入る情報が多すぎて、目の前のことに集中しにくくなります。探し物に時間をとられ、予定していたことが進まないこともあるでしょう。
身の回りの環境を整えることも、頭の中を整理し、優先順位をつけやすくするための大切なポイントです。目に入るモノが少なくなるだけで、気持ちが落ち着き、やるべきことに向き合いやすくなります。
優先順位のつけ方の基本
ここからは、優先順位のつけ方の基本を紹介します。仕事にも家事にも使える方法なので、ぜひ取り入れてみてください。
ステップ1:やることをすべて書き出す
まずは、今抱えているやるべきことを、紙やスマートフォンのメモ、アプリなどにすべて書き出しましょう。大きなことから小さなことまで、思いつくままに書き出すのがポイントです。
書き出すだけで、頭の中がすっきりし、「意外と量が少なかった」「これは今すぐやらなくてもいい」といったことに気づけることもあります。仕事と家事、育児などのやることを一つのリストにまとめると、自分の1日の全体像がつかみやすくなります。
ステップ2:「緊急度」と「重要度」で分ける
書き出したことを、「緊急かどうか」「重要かどうか」の2つの軸で、次の4つに分けてみましょう。
- 緊急で重要:期限が迫っている大切な仕事、子どもの急な体調不良への対応など
- 緊急ではないが重要:将来に向けた準備、健康づくり、家族との時間など
- 緊急だが重要ではない:突然の頼まれごと、急ぎではない連絡への返信など
- 緊急でも重要でもない:なんとなく見ているSNSや動画など
基本的には、「緊急で重要」なことから手をつけ、「緊急ではないが重要」なことの時間を意識して確保するのがポイントです。後者は後回しにしがちですが、ここに時間を使えると、慌ただしい毎日から少しずつ抜け出せます。
ステップ3:期限と所要時間を確認する
同じ「緊急で重要」なことでも、期限や必要な時間はそれぞれ違います。それぞれのタスクに「いつまでに」「どれくらい時間がかかるか」を書き添えておくと、取りかかる順番が決めやすくなります。
時間がかかることは早めに取りかかり、すぐ終わることはすきま時間に済ませるなど、時間の使い方も工夫しやすくなります。
ステップ4:「やらないこと」と「人に任せること」を決める
優先順位をつけるときは、何をやるかと同じくらい、「何をやらないか」「誰に任せるか」を決めることが大切です。「緊急でも重要でもない」ことは思い切ってやめる、ほかの人に頼めることはお願いするなど、自分が抱えるタスクそのものを減らしましょう。
やることが減れば、本当に大切なことに時間とエネルギーを使えるようになります。
迷ったときに役立つ「自分への質問」
どれを優先すべきか迷ったときは、次のような質問を自分に投げかけてみましょう。
- これをやらなかったら、誰が・どのくらい困るか
- 期限はいつで、遅れたらどうなるか
- 今やることで、あとの作業がラクになるか
- 自分にしかできないことか、ほかの人に頼めるか
質問に答えていくうちに、自然と優先すべきことが見えてきます。迷う時間を減らすための、自分なりの判断材料にしてみてください。
【仕事編】優先順位をつけるコツ
仕事で優先順位をつけるときに、意識しておきたいポイントを紹介します。
仕事のゴールと期限を確認する
仕事を引き受けたら、「何のための仕事か」「いつまでに、どのレベルまで仕上げればいいか」を確認しておきましょう。ゴールがはっきりしていれば、その仕事の重要度や、かけるべき時間が判断しやすくなります。
自分の仕事が、チームやほかの人の仕事にどうつながっているかを知ることも大切です。自分の作業が遅れると、ほかの人の仕事が止まってしまう場合は、優先度を上げて取り組みましょう。
迷ったときは上司や周りに相談する
どれを優先すべきか自分だけで判断できないときは、一人で抱え込まず、上司や同僚に相談しましょう。「AとBのどちらを先に進めるべきでしょうか」と具体的に聞くと、判断の基準もわかるようになります。
いくつものことを同時に進めない
複数の仕事を同時に少しずつ進めようとすると、切り替えのたびに集中が途切れ、どれも中途半端になりがちです。優先順位の高いものから一つずつ、区切りのよいところまで進めてから次に移ることを意識しましょう。
メールやチャットの確認も、「1時間に1回」など時間を決めると、目の前の仕事に集中しやすくなります。通知をオフにする時間をつくるのも効果的です。
デスク周りを整えて集中できる環境をつくる
デスクの上に書類や文房具が散らかっていると、探し物に時間がかかり、集中力も途切れがちです。今取り組んでいる仕事に必要なものだけを机の上に出しておくと、目の前の作業に集中しやすくなります。
デスク周りを整えるコツは、「オフィスデスクの整理術|仕事が捗るデスク周りの片づけ方と散らからない仕組みづくり」で紹介しています。
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【家事・暮らし編】優先順位をつけるコツ
家事や育児は、仕事と違って終わりがなく、優先順位がつけにくいものです。家事に追われる毎日を少しラクにするための考え方を紹介します。
家事を「毎日」「週1回」「ときどき」に分ける
すべての家事を毎日完璧にこなそうとすると、時間がいくらあっても足りません。家事を「毎日やること」「週に1回でいいこと」「ときどきでいいこと」に分けてみましょう。
たとえば、食事の準備や洗濯は毎日、トイレや浴室の念入りな掃除は週1回、窓拭きや換気扇の掃除はときどき、というように決めておくと、「今日やること」が明確になり、迷う時間が減ります。
「やらない家事」を決める
家事の中には、やらなくても暮らしに大きな支障がないものもあります。「タオルはたたまずにかごへ入れる」「平日の夕食は一汁一菜にする」など、思い切って手放す家事を決めると、ぐっと負担が軽くなります。
家事がつらいと感じるときの向き合い方は、「毎日の家事が苦痛なのは甘えじゃない|しんどい5つの原因と負担を減らす対処法」でも紹介しています。家事を効率化するアイデアは、「家事を効率化する方法13選|共働き・ワンオペでも時間にゆとりが生まれるコツ」も参考にしてください。
家族に任せられることは任せる
家事や育児を一人で抱えていると、優先順位をつける以前に、やることが多すぎて手が回らなくなります。家族に任せられることは、思い切って任せましょう。
家事を書き出して見える化すると、誰が何を担当するかを話し合いやすくなります。家事分担表の作り方は、「家事分担表の作り方とコツ|名もなき家事まで見える化するテンプレート例つき」で紹介しています。
家族の予定も一緒に見える化する
家事の優先順位は、家族の予定によっても変わります。学校行事や習い事、家族の帰宅時間などを、カレンダーやホワイトボードにまとめて見える化しておくと、「今週は何を優先すべきか」が判断しやすくなります。
家族みんなが予定を共有できていれば、急な用事にも協力して対応しやすくなります。週末に家族で翌週の予定を確認する時間をつくるのもおすすめです。
仕事と家事の両立は「完璧」を目指さない
仕事と家事・育児を両立していると、どちらも完璧にこなすのは難しいものです。「今日は仕事を優先する日」「週末は家族との時間を優先する日」と、時期や日によって優先するものを切り替えるのもひとつの方法です。
仕事と家事の両立に悩んだときのヒントは、「仕事と家事の両立に疲れた…負担を減らす3つのコツと暮らし別の両立術」で紹介しています。
決めた優先順位どおりに進めるコツ
優先順位をつけても、そのとおりに進められなければ意味がありません。決めた順番どおりに物事を進めるためのコツを紹介します。
5分で終わることはすぐに片づける
返信一本、書類一枚など、5分以内で終わることは、リストに残さずその場で片づけてしまいましょう。小さなタスクがたまると、それだけで頭の中が散らかり、大事なことに集中しにくくなります。
大きなタスクは小さく分ける
「企画書をつくる」「家じゅうを片づける」など、大きなタスクはどこから手をつければいいかわからず、後回しにしがちです。「構成を考える」「引き出し1段を片づける」など、すぐに取りかかれる大きさに分けましょう。
小さく分けたタスクを一つずつ終わらせていくと、達成感も得られ、次の作業にも取りかかりやすくなります。終わったタスクにチェックを入れたり線を引いたりすると、進み具合が目に見えて、やる気も続きやすくなります。
時間を区切って取り組む
「午前中は集中して資料づくり」「夕食後の15分は片づけ」など、時間を区切ってやることを決めると、だらだらと続けたり、ほかのことに気をとられたりしにくくなります。
タイマーを使って「25分集中したら5分休む」というように、集中と休憩のリズムをつくるのもおすすめです。家事の場合も「キッチンは10分だけ」と時間を決めると、だらだらと続けずに次のことへ移れます。
1日の終わりに見直して、翌日の準備をする
1日の終わりに、今日できたことと、明日やることを簡単に見直す習慣をつけましょう。翌日の優先順位をあらかじめ決めておけば、朝から迷わずに取りかかれます。
予定どおりに進まなかったことがあっても、自分を責める必要はありません。「なぜ進まなかったのか」を振り返り、翌日の計画に生かしましょう。
休むことも「優先順位の高い予定」にする
やることが多いと、つい休憩や睡眠の時間を削ってしまいがちです。しかし、疲れがたまると判断力が落ち、かえって効率が悪くなります。休むことも大切な予定の一つとして、あらかじめ時間を確保しておきましょう。しっかり休んで頭がすっきりすると、優先順位も驚くほど決めやすくなるものです。
完璧を目指さず、修正しながら進める
優先順位は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。状況が変われば、優先順位も変わって当然です。
「決めたとおりにできなかった」と落ち込むより、「今はこちらを優先しよう」と柔軟に修正していくことが、結果的に物事をスムーズに進める近道になります。子どもの急な発熱など、予定どおりにいかないことがあるのは当たり前だと考えておきましょう。
片づけは「優先順位をつける力」を育てる練習になる
優先順位をつける力は、仕事や家事だけでなく、日々の片づけを通して育てることもできます。片づけと優先順位の関係について見ていきましょう。
片づけは「選ぶ・決める」の連続
片づけでは、「これは今使っているか」「残すか、手放すか」と、モノ一つひとつについて判断していきます。この「選ぶ・決める」の繰り返しは、優先順位をつけるときの考え方とよく似ています。
自分にとって本当に大切なモノを選ぶ経験を重ねることで、仕事や暮らしの中でも「何が大切か」を判断する力が少しずつ育っていきます。
モノが減ると、頭の中も整理される
モノが少なく、どこに何があるかがはっきりしている部屋では、探し物や「片づけなきゃ」という気がかりが減り、目の前のことに集中しやすくなります。
暮らしの中の「気がかり」が減ると、頭の中に余裕が生まれ、物事の優先順位も考えやすくなります。モノを減らして散らからない暮らしをつくる考え方は、「ミニマリストに学ぶ片づけ術|物を減らすコツと散らからない暮らしの始め方」も参考にしてください。
小さな場所から始めて「決める」経験を積む
いきなり家じゅうを片づけようとすると、判断することが多すぎて疲れてしまいます。引き出し1段など、小さな場所から始めて、「決められた」という経験を積み重ねましょう。
散らかった部屋をどこから片づければよいか迷うときは、「散らかった部屋の片づけ手順|どこから始める?コツと順番をプロが解説」で順番を紹介しています。途中で手が止まってしまうときは、「片づけが進まない原因と解決策|手が止まるときに試したい7つの方法」も参考にしてください。
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まとめ
優先順位がつけられない主な原因は、やることの全体像が見えていないことと、判断の基準が決まっていないことです。完璧主義や断れない性格、疲れ、散らかった環境なども、判断を難しくする要因になります。
優先順位をつけるときは、まずやることをすべて書き出し、「緊急度」と「重要度」で分けましょう。期限と所要時間を確認し、やらないことや人に任せることも決めると、本当に大切なことに時間を使えるようになります。家事は頻度で分けてやらない家事を決め、家族に任せられることは任せましょう。
そして、5分で終わることはすぐに片づけ、大きなタスクは小さく分け、1日の終わりに見直す習慣をつけることで、決めた優先順位どおりに進めやすくなります。片づけを通して「選ぶ・決める」経験を積み重ねながら、心にゆとりのある毎日を目指していきましょう。
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